中国地区第5回高校生溶接技術〈圧力容器〉競技会

競技規定

1 競技課題

製作図に示す圧力容器を製作する。(8 参考資料参照)

2 加工仕様

(1)溶接機 ダイヘン BS-250M 小型交流アーク溶接機
(2)競技用溶接棒 φ3.2とする。(混同使用は良い。)※各校で準備すること。
(3)配付材料
SS400 t3.2×100×100 4枚
SS400 t3.2×130×130 2枚(1枚は、中央にφ16キリ穴があいている。)
SS400 1/2 ソケット 1個
(4)競技時間
タック溶接20分、本溶接30分とする。(清掃は各班で競技終了後一斉に行う。)
(5)持参用具(持込み可能用具)【用具検査有】
作 業 服:作業帽(ヘルメット可)、作業服(上下)、安全靴(運動靴不可)
保 護 具:溶接用皮製保護手袋(L=280㎜以上)、前掛け、足カバー 保護メガネ(矯正眼鏡可)、防塵マスク ハンドシールド(ヘルメットシールド可)
工 具 等:使用溶接棒、チッピングハンマ、ワイヤブラシ、けがき針 (自作不可)丸棒1本(角継手用、φ10mm以下・長さ200mm以下)、 片手ハンマ、たがね、ヤットコ(大・小各1) Vブロック4個以内 (呼び寸法100mm〈108mm〉以下、幅40mm〈42mm〉以下とし、V部分 の斜辺の長さが40mm以下、Vの底は90°で溝のあるものとする。)
測定器具:電流計、ノギス、直角定規、鋼尺(300mm以下)、ストップウォッチ
(6)会場に準備しているもの
溶接機、作業台、椅子、残棒入れ、溶接棒立て
みぞ形鋼(幅100mm×高さ50mm×長さ250mm)、工具箱(467㎜×337㎜×120㎜)
アーク発生練習材(t6×120㎜×120㎜)

3 作業条件

(1)保護具を着用し、安全作業に心掛けること。
(2)電流計や必要な資料は持込みできる。
(3)工具の貸し借りは禁止する。
(4)持参用具については、溶接ブース入場時に検査を行う。
(5)作業中は、椅子に座る必要はない。
(6)検流時間は、タック溶接、本溶接の時間に含む。
(7)溶接ホルダを置く時は、溶接ホルダから溶接棒を外すこと。
(8)タック溶接は、以下のとおりとする。
①タック溶接は20mm以内とする。
②角柱内は、端部より20mm以内で8箇所以内とする。
③角柱と上下板は、外側より各4箇所以内とする。
④ソケットは、3箇所以内とする。
(9)角継手のビード継ぎはしないこと。ただし、アークが切れたり溶落ちが生じたときは、この限りではない。(減点対象となる)
(10)すみ肉溶接は水平すみ肉溶接とし、ビード継ぎは、何回行ってもよい。
(11)本溶接は、1層1パスとする。目視検査で孔があいているときの点溶接は認める。
(12)不必要になった工具や保護具を工具箱に置くときは、整理して置き、落としたりしないこと。

4 注意事項

(1)失格事項
①安全面に配慮して、地面に膝をついての溶接作業をした場合。
②たがねを、溶着金属をはつり取る目的で使用した場合。(スラグ及びスパッタを取るのに使用してもよい)
③タック溶接が25mmを超えた場合。
④上下板と角柱のタック溶接数が、9箇所以上の場合。
⑤ソケットのタック溶接数が、4箇所以上の場合。
⑥角柱内のタック溶接位置が、25mmを超えた場合。
⑦2回のタック溶接の検査を受けていない場合。
⑧タック溶接が20分を超えた場合。
(2)完成品審査不合格
①圧力容器の胴部分が、明らかに正方形以外に組んでいる場合。
②本溶接の2層盛りを行った場合。
③溶接補修が、20mmを超えた場合。
④ビード幅いっぱいのスラグの取り残しが、10㎜を超えた場合。
(3)競技を中止させる場合
①本溶接が制限時間を10分以上超えた場合。(本溶接が制限時間を超えると減点する。)
②自己の不注意で救急箱必要程度以上の負傷をした場合。
③その他、競技の継続ができない場合。
※競技を中止させる場合以外は競技を継続する。失格事項については、競技終了後審査委員で確認する。

5 評価の観点

(1)完 成 度 溶接状態、仕上がり程度
(2)技 術 度 最大耐水圧、完成までの所要時間
(3)作業態度 服装、保護具、安全作業等の状況
※ 圧力審査は、容器に水を注入し、漏水のないもののみ測定する。
審査は、最初5MPaの圧力を加え、1分間保持する。漏水のない場合は、4MPaごと増加させ、30秒間保持を繰り返す。漏水のあった圧力を1MPa単位で記録する。

6 順位について

(1)順位は審査用紙の合計得点で決定する。
(2)合計得点が同点の場合は、最大耐水圧の高いもの、完成度の点が高いもの、作業時間の短いものの順で決定する。
(3)完成品審査不合格の場合審査は行うが、完成品審査合格者より下位の順位をつける。
(4)失格・競技中止の場合は、順位はつけない。

7 課題の製作手順 【圧力容器の組立方法】

(1)材料に寸法誤差や異常がないかを確認をする。(板:6枚・ソケットG1/2:1個)
(2)上下板(130×130)に対角線をけがく。
(3)Vブロック2個の上に100×100の板を2枚L型に置く。

(4)中央にVブロック1個をのせる。(端部から20mmくらい離す)
(5)端部1箇所をタック溶接する。(①部分)
(6)同じようにもう1セットをタック溶接する。 ※合わせ面を平行にセットできれば両端をタック溶接する(②部分)

(7)2つを正方形になるように合わせて中に Vブロックを乗せる。(端部から20mmくらい)

(8)端部1箇所をタック溶接する。
(9)上下を反対にしてもう1箇所をタック溶接する。
(10)反対側の端部を確認して内側を端部より 20mm以内でタック溶接をする。 すき間のあるときは、足で押さえてタック溶接 をする。
(11)スケールで対角線を測り、差があればハンマで 叩き修正をする。(叩くときは対角線上にする)
(12)箱のタック溶接が完成したら、溶接位置の検査 を受ける。(端部より20mm以内)
(13)下板の上に箱をのせ、四隅と対角線が合うよう にする。(下板と箱が平行になること)

(14)対角状に外側より4~2箇所、角より少し離れ た位置をタック溶接する。(2箇所のときは③のみ)
(15)上板も下板と同様にタック溶接をする。(すき間が生じた場合はタック溶接直後ハンマで叩く)

(16)上板の中心の穴に偏心しないようにソケットを置き、上に重しを置く。

(17)3~1箇所タック溶接をする。
(18)組立てが完成したらタック溶接・すき間検査を受け待機する。
(19)本溶接は、角継手から溶接する。 組み方により傾斜角αを考える。角度はVブロックやみぞ形鋼を利用する。

(20)使用溶接棒と溶接姿勢により電流を調整する。検流計を使用する。

(21)角継手は1パス1ビードで連続して溶接する。アークスタート部分に気をつける。
(22)角溶接が4箇所終了したら端部のみスラグ を取る。
(23)みぞ形鋼の上にソケットを下にして置き、すみ肉溶接をする。棒継ぎの位置を考える。(4~2箇所) 注:角で棒継ぎしない。

(24)上下を反対にして、すみ肉溶接を同様にする。

(25)ソケットのすみ肉溶接をする。棒継ぎの箇所により右回りにするか左回りにするか決める。
(26)スラグやスパッタをチッピングハンマできれ いに取る。
(27)補修箇所があれば補修をする。(20mm以内)
(28)ワイヤブラシでビード部分をきれいにする。
(29)審査員に終了を告げ、提出する。

8 参考資料

【製作図】

【角継手の形状】




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